慌ただしい日々の中で見失いがちな「心」の平穏を取り戻す

ヨガ 心のヒント
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こんにちは。私の日々の暮らしは、法事や檀家さんとの交流、子どもの送り迎えに学校行事、そして寺の維持管理と、時間の流れはあっという間です。皆様もそうではないでしょうか。

現代社会は、私たちに常に何かを求め、効率性や生産性を重視するあまり、知らず知らずのうちに心に負担をかけているように感じます。休日は、その蓄積された疲労を癒し、次への活力を養う大切な時間であるはずなのに、つい「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と、義務感に追われてしまっていませんか。

「休日の過ごし方」と聞くと、多くの人が「時間を無駄にしないように有効活用しなければ」と考えがちです。仏教にも「無駄をなくす」という考え方は確かにあります。しかし、それは決して「常に何かをしていないといけない」ということではありません。むしろ、その逆。今回は、無為自然むいしぜんという考え方を軸に、心身ともに満たされる休日の過ごし方について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。


「無為自然」とは? 現代社会を生きる私たちへのメッセージ

「無為自然」とは、中国の思想家である老子の言葉です。一般的には「何もしないこと」と誤解されがちですが、本質は異なります。それは「作為的なことをせず、あるがままに、自然の成り行きに任せること」という意味合いが強いのです。

私たちは、日頃から「こうあるべきだ」「こうしなければならない」という固定観念や社会の枠組みの中で生きています。それがストレスとなり、心身のバランスを崩してしまうことも少なくありません。しかし、「無為自然」の精神は、そうした固定観念から一度離れ、自分自身の内なる声に耳を傾け、自然体でいることの尊さを教えてくれます。

現代社会において、この「無為自然」の考え方は非常に重要であると私は感じています。情報過多な時代において、私たちは常に新しい情報に触れ、刺激を受け続けています。スマートフォンを開けば、友人たちの華やかな休日が目に飛び込んできますし、SNSでは「充実した休日」の過ごし方が次々と提案されます。そうすると、「自分も何か特別なことをしなければ」「この時間を無駄にしてはいけない」という焦燥感に駆られてしまいがちです。

しかし、本当にそれで心が満たされるのでしょうか。私は、大切なのは「何をしたか」ではなく、「どう感じたか」だと考えます。無理に予定を詰め込んだり、流行に乗ろうとしたりするのではなく、自分の心と体が本当に求めていることに耳を傾けることこそが、「無為自然」の精神に通じる休日の過ごし方なのです。


住職が実践する「無為自然」な休日の過ごし方

私自身も、お寺の仕事や子育てに追われる中で、休日の過ごし方には試行錯誤してきました。以前は「休日だから何か特別なことをしなくては」と、無理に外出したり、疲れているのにイベントに参加したりすることもありました。しかし、それではかえって疲れてしまい、心からリフレッシュできないことに気づいたのです。

そこで私が意識するようになったのが、「無為自然」の考え方です。特別なことをするのではなく、その時の心と体が求めていることに素直に従う。これが、私にとっての「最高の休日」になりました。具体的な過ごし方をいくつかご紹介しましょう。

  • 家族との何気ない時間:子どもたちと境内で草むしりをしたり、一緒に本を読んだり、庭でシャボン玉をしたり。特別なことをしなくても、ただ一緒にいるだけで心が温まります。妻と二人でゆっくりお茶を飲む時間も、私にとってはかけがえのないものです。
  • 静かに自分と向き合う時間:朝、家族が起き出す前に、誰もいない本堂で静かに座禅を組むことがあります。ただ呼吸に意識を集中し、心の動きを観察する。そうすることで、日々の雑念が消え、心が静かに落ち着いていくのを感じます。時には、境内の掃き掃除をしながら、無心で体を動かすこともあります。
  • 自然の中に身を置く:お寺のすぐ裏には小さな林があり、時々散歩に出かけます。鳥の声に耳を傾け、風の音に身を委ね、木々の香りを感じる。そうすると、自分の存在が自然の一部であることを再認識し、心が解放されるような感覚になります。天気が良い日には、家族で近所の公園に出かけ、ただ芝生の上に寝転がって空を眺めるだけでも、十分なリフレッシュになります。
  • 「何もしない」を楽しむ:時には、ただ縁側に座ってぼーっと過ごすこともあります。読書をするわけでもなく、音楽を聴くわけでもなく、ただそこにいるだけ。最初は落ち着かないかもしれませんが、次第に心が落ち着き、普段気づかないような小さな発見があったりします。

これらの過ごし方に共通しているのは、無理をしないことそして五感を研ぎ澄ますことです。私たちは普段、たくさんの情報に触れ、頭で考えすぎています。休日は、あえて思考を停止させ、感覚に集中することで、心が満たされていくのを感じられるでしょう。


心身のリフレッシュを促す休日の過ごし方提案

「無為自然」の考え方は、どのような生活を送っている方にも応用できるはずです。ここからは、具体的な休日の過ごし方をいくつか提案させていただきます。

1. デジタルデトックスを試みる

現代社会において、スマートフォンやパソコンは生活に欠かせないものですが、知らず知らずのうちに私たちの心を蝕んでいる可能性もあります。休日は、意識的にデジタル機器から離れる時間を作ってみましょう。

  • 時間を決めて使用する:「午前中だけはスマホを見ない」「夜7時以降は電源を切る」など、具体的なルールを決めてみましょう。
  • 通知をオフにする:SNSやメールの通知が鳴るたびに、集中力が途切れてしまいます。休日は思い切って通知をオフにしてみましょう。
  • 本を読む:電子書籍ではなく、紙の書籍を手に取ってみましょう。活字を目で追う行為は、デジタル画面とは異なる集中力と癒しを与えてくれます。
  • アナログな趣味に没頭する:絵を描いたり、手芸をしたり、楽器を演奏したり。没頭できるアナログな趣味は、デジタルな刺激から離れて心を満たしてくれます。

2. 五感を意識した活動を取り入れる

「無為自然」の精神は、五感を研ぎ澄ませ、自然体でいることと深く結びついています。意識的に五感を刺激する活動を取り入れてみましょう。

  • 自然の中を散策する:公園、森林、海岸など、身近な自然の中で過ごす時間を作りましょう。鳥のさえずりを聞き、草花の香りを感じ、風の音に耳を傾けることで、心が安らぎます。
  • 美味しい食事をゆっくり味わう:忙しい平日は、食事をゆっくりと味わう時間がないかもしれません。休日は、旬の食材を使って丁寧に料理をしたり、お気に入りのカフェでゆっくりと食事を楽しんだりしてみましょう。味覚、嗅覚、視覚、全てで食事を堪能することで、心が満たされます。
  • 心地よい音楽を聴く:歌詞のないインストゥルメンタルや、自然の音(川のせせらぎ、波の音など)を聴いてみましょう。心を落ち着かせ、リラックス効果を高めることができます。
  • アロマテラピーを取り入れる:ラベンダーやサンダルウッドなど、リラックス効果のあるアロマオイルを焚いてみましょう。心地よい香りは、心身の緊張を和らげてくれます。

3. 「何もしない時間」を意識的に作る

最も難しく、しかし最も効果的なのが「何もしない時間」を作ることです。

  • 計画的に余白を作る:スケジュール帳に「何もしない時間」として、あえて空白の時間を設けてみましょう。
  • ぼーっとする:窓の外を眺めたり、ただ座って考え事をしたり。無理に何かをしようとせず、心の赴くままに過ごしてみましょう。
  • 瞑想や座禅を試す:難しく考える必要はありません。静かな場所で、目を閉じて自分の呼吸に意識を集中するだけでも、心が落ち着いていきます。

義務感から解放された休日のその先に

休日を「有意義に過ごさなければならない」という義務感から解放されることで、私たちは初めて心からの安らぎを得ることができます。それは決して怠けることではありません。むしろ、自分自身を大切にし、心と体の声を丁寧に聞くことで、新たな活力が湧いてくるのを感じられるはずです。

私たちは、日々さまざまな役割をこなし、多くの期待に応えようと努力しています。だからこそ、休日はその「役割」から一時的に降りて、ただ「自分自身」として存在することを許してあげてほしいのです。「無為自然」の精神は、私たちに「もっと楽に、もっと自然体で生きていいんだよ」と語りかけているように感じます。

私も含め、子を持つ親御さんは特に、「子どものために」と休日も動き回ってしまいがちです。しかし、親が心身ともに満たされていることが、何よりも子どもたちに良い影響を与えるものだと信じています。


最後に

今回の記事が、皆さんの休日の過ごし方を見つめ直すきっかけとなれば幸いです。完璧を目指す必要はありません。まずは、小さな一歩から。「今日はこれをしてみようかな」と、心に問いかけてみてください。そして、その時の自分の感情を大切にしてください。

心豊かな休日を過ごすことで、平日の生活もより彩り豊かなものになることでしょう。

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